先日、AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) )に合格しました。無事一発で合格はできたものの、今回の試験はかなり難しかったと感じました。またこれまでの資格試験対策で一番時間を使ったかもしれません。AWSでの業務に就けるようになりましたが、まだ探り探りの、AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトに一発で合格できた勉強方法や問題の解き方のコツをまとめました。
記事の初めに、AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトについて試験の概要や試験分野についておさらいします。すでに把握しているという方は、前半はスキップして頂いて、後半で勉強方法や問題の取り組み方の記事へ進んでよいです。改めて、試験の概要も知りたいという方はそのままご覧ください。
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」に合格したい人
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」の試験の概要を知りたい人
- 試験問題の解き方のコツを知りたい人
本記事の内容は以下の通りです。
- AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトについて
- AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの勉強方法
- おすすめの参考書と問題集
- あとがき
「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトについて」では、試験の概要についてまとめます。また、旧試験(SAA-C02)と新試験(SAA-C03)の違いについてもまとめてみました。
「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの勉強方法」では、私の勉強方法をまとめました。その中で、試験問題の解き方のコツについて解説しています。SAA-C03の試験では、試験問題の解き方のコツを知っている・知らないとで合格する確率がかなり高まると思っています。
「おすすめの参考書と問題集」では、私が使用した参考書と問題集を紹介します。私はUdemyが好きですので主にUdemyの参考書・問題集の紹介になります。
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」の試験概要
- 「AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト」の勉強方法や試験問題の解き方のコツ
- 実際に使用した参考書や問題集
AWSを利用したシステム開発をしています。
業務経験はまだ浅いですが、資格試験対策で得たクラウド知識があります。
クラウドの資格はAWSのほか、AZ-305、AZ-400を取得しています。
今回の試験は、正直落ちたかなーと思ってました。前回のAWS認定クラウドプラクティショナーの試験とは異なり、試験結果はすぐにわかりませんでした。といっても、24時間以内に結果メールが届いていました。
スコアは本当にギリギリでした。AZ-104もそうですが、中級資格は私にとってとても難しく感じます。Azure中級資格のAZ-104もギリギリのスコアでの合格だったと思います。
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトについて
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03))は、幅広いサービスにわたる AWS テクノロジーの知識とスキルを証明するものです。この認定で焦点を当てているのは、コストおよびパフォーマンスが最適化されたソリューションの設計であり、これによって AWS Well-Architected フレームワークを深く理解していることの実証になります。
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03))の受験対象は以下の通りです。
- AWSテクノロジーに関する経験
- オンプレミスITの経験、オンプレミスとクラウドのマッピングの理解
- ほかのクラウドサービスでの業務経験
試験の概要
カテゴリ | Associate |
試験時間 | 130 分 |
試験の形態 | 問題数65問(選択、または複数選択の問題) |
料金 | 150 USD |
試験場所 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン監督付き試験 |
試験の形態
問題数は65問です。出題形式は、4~5つの選択肢から1つ、または2つを選択するパターンでした。
出題される問題は、AWS Certified Cloud Practitionerと比べるとかなり難易度が上がります。単にサービス名を答える問題は出題されません。さらに、問題文と選択肢が長文となっていました。65問中ほぼすべての問題文が長文だったので、試験時間130分をいっぱいに使いました。
正直なところ、時間切れになりそうだったので最後10問は、急いで挑んだため間違えが多かったかもしれません。とても時間に余裕がない試験となりました。もちろん、見直し時間は取れませんでした。
料金
料金は、日本円で15,000円(税別)でした。この試験を受ける際は、AWS Certified Cloud Practitionerの合格特典が使用できますので、半額の8,250円(税込み)で受験が可能です。
2024年4月1日からAWS認定試験の受験費用が改訂(値上げ)されるようです。AWS認定の受験費用は毎年4月に為替レートに応じて変更されるようです。昨今の円安の影響で、4,000円~10,000円の値上げになります。
2024年3月31日までの料金
試験の種類 | USD | JPY |
AWS Certified Cloud Practitioner | 100 USD | 11,000円 |
AWS Certified Solutions Architect – Associate | 150 USD | 15,000円 |
AWS Certified Solutions Architect – Professional | 300 USD | 30,000円 |
AWS Certified Specialtyシリーズ | 300 USD | 30,000円 |
2024年4月1日からの料金
試験の種類 | USD | JPY |
AWS Certified Cloud Practitioner | 100 USD | 15,000円 |
AWS Certified Solutions Architect – Associate | 150 USD | 20,000円 |
AWS Certified Solutions Architect – Professional | 300 USD | 40,000円 |
AWS Certified Specialtyシリーズ | 300 USD | 40,000円 |
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03))は、5,000円の値上げになりますので、受験を考えている方は、改定前(2024年3月31日以前)に申し込みを済ませて受験しましょう。
AWS認定クラウドプラクティショナーの合格がまだの方も値上げ前に受験しちゃいましょう。プラクティショナーの学習方法は別の記事で紹介していますので是非ご覧ください。
試験分野と割合
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの試験は、2022年8月30日に旧試験(SAA-C02)から新試験(SAA-C03)にアップデートされました。
私は、新バージョン(SAA-C03)の試験内容で受験しました。
SAA-C02からSAA-C03の変更点
SAA-C03では、セキュリティ分野の出題比率が6%アップしました。「AWSではセキュリティが最優先事項」と謳っていることもあって、セキュリティ分野に重きを置いているようです。
試験分野と割合
分野 | 新試験(SAA-C03) | 出題比率(旧) | 出題比率(新) |
第1分野 | セキュアなアーキテクチャの設計 | 24% | 30% |
第2分野 | 弾力性に優れたアーキテクチャの設計 | 30% | 26% |
第3分野 | 高性能アーキテクチャの設計 | 28% | 24% |
第4分野 | コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 18% | 20% |
ご覧のように、セキュリティとコストの分野で出題比率が増加し、その他の分野が減少しました。実際にセキュリティやコストの問題は多く出題されていたと思います。私は前もって割合を調べて把握していましたので、セキュリティとコストの分野を重点的に学習しました。
- SAA-C03版では、セキュリティとコストの分野で出題比率が増加しました。
- 2024年4月1日からAWS認定試験の受験費用の価格改正(値上げ)が予定されています。
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの勉強方法
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03))に合格するために、私が実際に行った勉強方法を紹介します。
試験に対する準備の見極め
まず、AWS認定トレーニングの「AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03 – Japanese) (Na) 日本語実写版」コースを受講し、SAA-C03試験に対する準備がどの程度できているかを把握することから始めました。同時に試験の出題分野の傾向と一通りのアーキテクチャの学習を実施しました。
このコースは、51レッスン4時間半のコースです。日本人講師がゆっくり丁寧に解説してくれます。私は再生スピードを若干上げてレッスン時間を短縮しました。
以下の内容が学べます。
- 安全なアーキテクチャの設計
- 耐障害性に優れたアーキテクチャの設計
- 高パフォーマンスなアーキテクチャの設計
- コストを最適化したアーキテクチャの設計
また、コース全体で以下の内容が学べます。
- 試験を理解する
- 試験形式の問題を理解する
- 試験のトピックについて学習する
- 試験に備える
- 試験に申し込む(申し込み方法解説など)
模擬問題の取り組み
Udemyからベストセラーとなっている模擬試験問題集を選んで取り組みました。私が選択したのは、「【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集」です。65問の問題集が6回分収録されており、解説も充実していました。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集
SAA-C03の問題は、問題文が長文ということもあり、模擬問題集の取り組みに1か月以上かかってました。とりあえず、模擬問題集を1周し、2周目は間違えた個所のみ見直しをかけるいつものやり方ですが、今回は2周が限度でした。これ以上学習に時間をかけてもしょうがないという気持ちになった時点で試験に申し込みしました。
SAA-C03の問題では、問題文からキーワードを選定することが重要になってきます。このキーワード選定がうまくできるようになってくると問題を解くスピードも上がりますし、正解率も上がります。
例えば以下のような問題があったとします。
ある会社がアプリケーションを設計しています。 このアプリケーションは、AWS Lambda 関数を使用して、Amazon API Gateway を通じて情報を受信し、その情報を Amazon Aurora PostgreSQL データベースに保存します。 概念実証の段階では、データベースにロードする必要がある大量のデータを処理するために、Lambda クォータを大幅に増やす必要があります。ソリューションアーキテクトは、スケーラビリティを向上させ、構成の労力を最小限に抑えるために、新しい設計を推奨する必要があります。 これらの要件を満たすソリューションはどれですか?
以下のようにキーワード選定できますでしょうか。
ある会社がアプリケーションを設計しています。 このアプリケーションは、AWS Lambda 関数を使用して、Amazon API Gateway を通じて情報を受信し、その情報を Amazon Aurora PostgreSQL データベースに保存します。 概念実証の段階では、データベースにロードする必要がある大量のデータを処理するために、Lambda クォータを大幅に増やす必要があります。ソリューションアーキテクトは、スケーラビリティを向上させ、構成の労力を最小限に抑えるために、新しい設計を推奨する必要があります。 これらの要件を満たすソリューションはどれですか?
キーワードの選定は、一旦間違えててもよいので癖をつけましょう。全65問全てが上記のような問題文になるのでキーワード選定に慣れておかないと時間が足りなくなります。
問題文の傾向は、以下のような形です。
- 現在のシステムやアプリケーションの構成
- AWSサービスを利用してどうしたいのか、または問題が発生したパターン
- どのAWSサービスを利用すれば実現できるか、または問題が解決できるか
- 可用性、機敏性、運用コスト、コストなど何を優先にするのか
上記問題文の回答選択肢は以下になります。
- Lambda 関数コードを、Amazon EC2 インスタンスで実行される Apache Tomcat コードにリファクタリングします。ネイティブ Java Database Connectivity (JDBC) ドライバーを使用してデータベースに接続します。
- プラットフォームを Aurora から Amazon Dynamo に変更します。DynamoDB Accelerator (DAX) クラスターをプロビジョニングします。 DAX クライアント SDK を使用して、既存の DynamoDB API 呼び出しを DAX クラスターに向けます。
- 2 つの Lambda 関数をセットアップします。情報を受信する関数を 1 つ設定します。情報をデータベースにロードするように他の関数を構成します。 Amazon Simple Notice Service (Amazon SNS) を使用して Lambda 関数を統合します。
- 2 つの Lambda 関数を設定します。情報を受信する関数を 1 つ設定します。情報をデータベースにロードするように他の関数を構成します。 Amazon Simple Queue Service (Amazon SQS) キューを使用して、Lambda 関数を統合します。
いかがでしょうか、この問題の正解は、4.となります。
1.は、Lamda関数コードをリファクタリングしています。リファクタリングにより解決策になる可能性はありますが、労力が掛かるため、問題文の「構成の労力を最小限に抑える」に当てはまらないため除外されます。
2.は、データベースをAuroraからAmazon Dynamoに変更しています。AuroraはSQL、DynamoはNoSQLであるため、DBの移行が必要となり、1.と同じように多大な労力が掛かるため除外となります。
3.はどうでしょうか、Lamda関数を2つセットアップし情報の通知をセットアップしています。情報の通知には、Amazon Simple Notice Service (Amazon SNS) を使用をしています。これは一見、良さそうに見えます。
4.は、3.と似ていますが情報の通知にAmazon Simple Queue Service (Amazon SQS) を使用します。Amazon SQSを使用すると、データをキューに入れることでアプリケーションを適切に拡張できることから、問題文の「スケーラビリティを向上」に当てはまり、また4つの中で一番労力が最小限に抑えることができます。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集
AWSサービスについては、どのようなサービスなのかは知っている必要はありますが、上記のようにキーワードを選定し、回答の選択肢の中から当てはまらない回答を除外していく消去法で回答していく形をとりました。回答の中には、回答となりうる似たような選択肢が複数あるパターンもあります。その場合は、選択肢の中から一番近しい回答を選ぶようにします。
SAA-C03合格の近道は、長文の問題文に慣れる、キーワード選定に慣れていく。問題文をよく読み、特に問題文終盤のソリューションアーキテクトはどのように実装したいのか、問題解決したいのか(可用性、機敏性、運用コスト、コストなど何を優先するのか)をよく読むことが重要になります。
問題をたくさん解いていくと、AWSは、Lambda、Amazon S3、 Amazon CloudFront、Amazon SQSをおすすめしているのかなと感じるようになりました。これらのサービスが問題文や回答に本当によく登場します。
おすすめの参考書と問題集
Udemyの中からSAA-C03版に対応した参考書と問題集をピックアップします。
【SAA-C03版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの勉強時間
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイトの勉強時間は2か月になります。
- 1~3日AWS認定トレーニングの「AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03 – Japanese) (Na) 日本語実写版」コースを受講
約4時間半の講座を3日かけて受講します。
- 4~試験当日udemyの模擬問題集を実施する。
はじめは1日10問ペース、後半はペースを上げて頑張ります。
- 試験当日試験当日の午前中に最終チェック
午後からの試験にしました。試験当日の午前中はゆっくり最終チェック。
あとがき
AWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) )の試験概要、学習方法、および試験問題文を読むコツについてまとめてみました。
これまでいろいろ資格試験を受験してきましたが、今回のSAA-C03はとても苦戦しました。試験の終盤は見直す時間もありませんでしたので、あー、今回は落ちたかな、ぎりぎり合格しているといいな、など合格通知が来るまでそんなことをずっと考えていました。本当に合格できてよかった。
と、私のように自身のない状態で試験当日にならないよう、この記事がお役に立てば幸いです。
試験対策に取り組み出した当初は、長文の問題文を見た瞬間、今回は辞めようかなと思ったりしました。ですが、まぁ仕事に必要な資格であることと、AWSサービスのことはもっと勉強したいと思ったので、まずは毎日1問でも問題文に取り組むようにし、試験対策を毎日の習慣にするよう意識しました。
最後までこの記事を読んで頂きありがとうございます。この記事がAWS認定ソリューションアーキテクト-アソシエイト(AWS Certified Solutions Architect – Associate (SAA-C03) )合格のための参考になれば幸いです。
Azureクラウドサービス資格試験にも挑戦しています。興味がある人は、以下の記事も参考に勉強してみてください。