試験頻出の全体像
ServiceNowの「レポート・ダッシュボード」は、管理者の“可視化スキル”を問う分野です。CSA学習だとユーザー/ロール/ACLやフォーム周りに目が行きがちですが、コミュニティでも「レポート&ダッシュボードは見落とされがちだから要チェック」と言及されることがあります。
さらに、CSAの試験仕様(Exam blueprint)にも出題範囲として明記されています。 learning.servicenow.com
まず押さえる用語
- レポート(Report):テーブル(またはデータソース)を条件で絞り、集計・可視化するもの。棒グラフ、円グラフ、リスト、ヒートマップなど。
- ダッシュボード(Dashboard):複数のレポートやウィジェットを配置して、目的別に“見る画面”を作るもの。 ServiceNow ダッシュボードの概要
- ウィジェット(Widget):ダッシュボード上の部品。多くは「レポートを表示する」用途。
- (補足)Performance Analytics(PA):時間変化(トレンド)を追うための考え方・機能群。レポートと混同しやすいので違いは後半で整理します。
レポート作成(Report Designer)を最短でマスター
レポート作成は「手順」を覚えるより、設計の順番を固定すると一気に安定します。おすすめの型はこれです。
レポート設計の型
- 目的(何を判断したい?):例)未対応インシデントが増えているか
- 対象(どのテーブル?):例)Incident [incident]
- 条件(フィルタ):例)State != Resolved、Assignment group = Network
- 切り口(Group by):例)Priority、Assignment group、Category
- 指標(Aggregate):例)Count、Sum、Average
- 表示(グラフ種類):例)棒=比較、折れ線=推移、円=構成比
ここまで決めてからReport Designerに入ると、操作が“作業”になります。
データソース(レポートソース)で「再利用できる人」になる
ServiceNowのドキュメントでも、レポート条件を“レポートソース(データソース)”として保存し再利用できることが説明されています。 ServiceNow レポートソース
試験でも実務でも効くポイントはここです。
- 同じ条件を、複数のレポートで使い回せる
- 「条件は共通、見せ方だけ変える」ができる
- チーム運用で“人によって条件が違う”事故を減らせる
レポートが乱立する現場ほど「条件が微妙に違う」問題が起きます。先にデータソースを固めると、あとが楽です。
よくある落とし穴
- フィルタ条件が“自分の見えている範囲”に依存していて、共有すると数字が変わる
- Group byの選択ミス:カテゴリ別に見たいのに、担当者別で作ってしまう
- 円グラフ乱用:項目が多いと読めない(10項目超なら棒/パレートが安定)
- スケジュール配信の対象ミス:レポート自体は正しいのに、送信先の権限で中身が欠ける
まず作ってみよう
- Incidentで「未解決件数(優先度別)」棒グラフ
- Changeで「今週の承認待ち件数」シングルスコア
- Requestで「カテゴリ別の申請数」棒グラフ(並べ替え込み)
この3つが作れれば、Report Designerの基礎は一気に固まります。
ダッシュボード設計で“使われる可視化”にする
ダッシュボードは、ただレポートを並べると失敗します。理由は簡単で、見る人の意思決定の順番に合っていないからです。
ダッシュボードは「指揮所」。レポートは「部品」
コミュニティ記事でも「ダッシュボード=見える指揮所、レポート/PA可視化=それを構成する部品」という整理がされています。 How to Create ServiceNow Dashboards and Reports
この捉え方に変えると、設計が一気に上手くなります。
まずは鉄板レイアウト
- 上段:KPI(異常が分かる)
- 未対応件数、SLA違反件数、承認待ち件数(シングルスコア/小さめの棒)
- 中段:内訳(原因が分かる)
- グループ別、カテゴリ別、優先度別(棒/積み上げ棒)
- 下段:詳細(次にやることが分かる)
- リストレポート(ドリルダウンして担当割り当て)
「上で異常→中で原因→下でアクション、の順に並べると“見た瞬間にやること”が決まる」
インタラクティブフィルタで“1つのダッシュボードを多用途化”
ダッシュボードが増えすぎる原因は「部署/期間/グループごとに別物を作る」ことです。
ここで効くのがインタラクティブフィルタ(期間・グループ・カテゴリなど)。
- 期間(今週/今月/先月)を切り替える
- Assignment groupを切り替える
- カテゴリを切り替える
フィルタ項目は多くしない(2〜3個まで)。増やすほど“使われない”率が上がります。
共有・権限で詰まらないためのチェック
「自分は見えるのに、相手は見えない」は最頻出トラブルです。
まず疑う順番はこれ。
- ダッシュボード自体の共有設定(誰に見せた?)
- ダッシュボード上の各レポートの権限(レポートは見える?)
- 元データ(テーブル)の閲覧権限(ACLで見えない可能性)
ここまで説明できると、試験でも実務でも強いです。
Performance Analytics(PA)との違い+最近の流れ
レポートとPAの違い
試験対策としてよく出る整理はこれです。
- レポート:基本は「今この瞬間」のデータを条件で集計して表示
- PA:指標を“時系列で追う”ために、スナップショット/トレンドを扱う考え方
Analytics Hubなど「分析の置き場」が広がっている
Zurichのドキュメントでも、レポートやPA可視化をダッシュボードで見せること、PAはAnalytics Hubで探索することが触れられています。 ServiceNow パフォーマンスアナリティクス コア UI
言い換えると、今後は「レポートだけ」ではなく、“分析体験”としての導線が重要になっていきます。
Zurich以降の話題:Platform Analytics Experience(PAE)への移行
コミュニティでは、Zurichでレポート/ダッシュボードがPlatform Analytics Experience(PAE)に移行していく、アップグレード時に影響がある、といった話題が出ています。 Changes coming to Reporting & Dashboards?
ここはインスタンス状況や契約機能にもよるため「試験の暗記」よりも、**“可視化は進化していく前提で触る”**くらいの捉え方が安全です。
合格&実務に効く学習ロードマップ
ここからは「結局どう勉強すれば、最短で点が取れて、現場でも使えるか」を具体化します。
7日で固める学習プラン
Day1:レポートの型を覚える(目的→テーブル→条件→Group by→表示)
Day2:棒/折れ線/リストを作る(3種類だけでいい)
Day3:データソース(レポートソース)で再利用 ServiceNow レポートソース
Day4:ダッシュボードに配置(KPI→内訳→詳細) ServiceNow ダッシュボードの概要
Day5:インタラクティブフィルタで1枚を多用途化
Day6:共有・見えない問題の原因を言語化(権限の順番チェック)
Day7:模試/過去問形式で“選択肢慣れ”
すぐ使えるハンズオン課題
- 課題1:Incident「未対応件数(優先度別)」+ドリルダウンでリスト表示
- 課題2:SLA違反の“今週”をシングルスコア化し、担当グループでフィルタ
- 課題3:Change「承認待ち」をダッシュボード化し、部門別に切替
Udemyを学習教材としておすすめする理由
ServiceNowのレポート/ダッシュボードは、結局「手を動かして画面で覚える」が最短です。Udemyは以下の相性が良いです。
- 動画で“操作の流れ”をそのまま模写できる(Report Designer/ダッシュボード配置)
- 倍速+繰り返し視聴で、短時間でも手順が定着
- 初学者向けに「レポート種類→作成→ダッシュボード」まで一気通貫の講座が見つけやすい
よくある質問
- Q:レポートとダッシュボード、どっちを先に?
→ レポート→ダッシュボード。部品がないと置けません。 - Q:共有したら数字が違う
→ 権限(ACL)と対象条件、ダッシュボード共有/レポート権限を順に確認。 - Q:PAは必須?
→ CSA対策では“違いが説明できる”がまず重要。運用でトレンドが必要になったら深掘り。
まとめ
ServiceNowの「レポート・ダッシュボード」は、CSAで軽視されがちな一方、理解すると得点源になりやすい分野です。試験仕様にも出題範囲として示されており、基本用語(レポート/ダッシュボード/ウィジェット)と、作成の型(目的→テーブル→条件→集計→表示)を固めるだけで安定します。 learning.servicenow.com
実務でも差が出るのは、レポート条件をデータソース(レポートソース)として再利用できること、そしてダッシュボードを「KPI→内訳→詳細」の順に配置して意思決定の流れを作れることです。さらに、共有後に「見えない」「数字が違う」が起きたとき、ダッシュボード共有、レポート権限、元データ権限の順に原因を切り分けできれば、現場対応力も上がります。
学習は、Udemyのハンズオン講座で操作を模写しつつ、最後は自分で「未対応件数」「SLA違反」「承認待ち」などのダッシュボードを1枚作って説明できる状態を目指すのが最短ルートです。レポート/ダッシュボードは今後も分析体験として進化していくため、アップグレードの流れも“知識として軽く意識”しておくと、学習も実務もブレません。


